自社ローン 優良店ランキングTOP > コラム一覧 > 【徹底解説】中国の“ゼロマイル中古車”輸出問題 ─ 地方政府が後押しする販売水増しの実態
中国の港湾には、走行距離が“0km”のままナンバーを外された車両が大量に並んでいます。これらは一旦“中古車”として登録されることで輸出枠・税制上の優遇を受け、すぐさま海外へと出荷される特殊なビジネスモデルです。業界推計では、中国の中古車輸出台数の約90%が『ゼロマイル車』とされ、統計上は“中古車”ながら実質は“新車”という矛盾が生じています。
このモデルを後押ししているのが地方政府です。各地の経済開発区では
• 追加ライセンスの即日発給
• 輸出税の還付率引き上げ
• 保税区内へのインフラ投資
などの手厚いインセンティブが提供されています。理由は単純で、車両が“新車販売”として一度カウントされた後、“中古車輸出”として再度カウントされるため、地域GDPや就業者数を二重に押し上げることができるからです。
こうして誕生したゼロマイル車は、ロシア・中央アジア・中東へ向かい、新車を下回る価格で大量に流入しています。現地ディーラーは「性能は新車同然なのに2~3割安い」と歓迎する一方、ダンピングとの批判も強まっています。ロシアやヨルダンはすでに中古車の定義を「登録から3か月以上」などへ厳格化し、ゼロマイル車を排除する動きを開始しました。
最大の影響は価格競争です。日本メーカーがロシア・中東向けに出す同クラス車両は、現地到着時にゼロマイル車と直接対決する形になります。値引き圧力で採算が悪化するだけでなく、サプライヤーにも影響が及び、部品受注が中国勢へシフトするリスクが高まっています。
中国中央政府は
• 輸出補助金の見直し
• 登録から輸出までの最低保有期間設定
などの規制強化を検討中と報じられています。しかし、地方政府は“成績表”となるGDPを死守したい思惑があり、綱引きは続きそうです。さらにWTOルールや各国の関税引き上げが本格化すれば、ゼロマイル車モデルは縮小を余儀なくされ、中国メーカーは“真の販売力”を問われる局面に入るでしょう。
ゼロマイル中古車輸出は、統計上の『新車販売』と『中古車輸出』を同時に押し上げる巧妙な仕組みで、地方経済を短期的に潤わせています。しかし、海外市場での過剰供給・価格破壊、そして規制強化という副作用も大きいのが実情です。今後は各国が中古車定義を延長し、新車登録制限を導入する流れが強まる見通しです。中国メーカーがグローバル競争力を維持するためには、輸出先の分散とブランド力向上という“本丸”に取り組む必要があります。
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