中古EVブームの陰で進む“資源流出”──ハイブリッド車こそ国内循環の鍵だった! - human joint

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中古EVブームの陰で進む“資源流出”──ハイブリッド車こそ国内循環の鍵だった!

1. 中古EV市場は8兆円規模へ──急拡大の裏で進む資源流出

今や中古EVは世界的な人気を集め、2030年には約6,000億円、2050年には約8兆円規模にまで膨らむと予測されています。国内でも年間11万台が中古EVとして市場に現れますが、実にその8割が海外へ輸出されています。車体とともにリチウム、ニッケル、コバルトといった希少金属が“丸ごと”国外に流出しているのです。

脱炭素化が叫ばれる一方、国内での循環システムが整わないまま輸出だけが先行すれば、日本は資源面で二重の負担を強いられることになります。つまり「環境価値は国内で計上できず、資源も失う」という最悪のシナリオです。

2. 200万台超の中古ハイブリッド車が示す“第二の鉱山”ポテンシャル

一方、見落とされがちなのがハイブリッド車(HV)です。国内の新車HV販売は年200万台規模。すでに走行している中古HVは累計で1,000万台を超え、そのうち毎年34万台が中古輸出されています。

HVは走行用モーター、インバーター、ニッケル水素電池など精密な電動コンポーネントを備えた“走る資源庫”です。重量当たりの希少金属量はEVより少ないものの、絶対台数がケタ違い。結果として国内に眠る資源量はEVをはるかにしのぎます。

換言すれば、HVこそが“第二の鉱山”として再評価されるべき存在なのです。

3. 国内循環を阻む課題とビジネスチャンス──政策・企業の対応策

もっとも、HV・EVいずれも国内循環を阻むボトルネックがあります。

  • 電池劣化情報のブラックボックス化:残存容量やSOH(State of Health)を可視化できず、市場価格が安定しない。
  • 解体・リサイクル体制の遅れ:高電圧部品の取り扱いに高度な資格が必要で、対応できる工場が限定的。

しかし、裏を返せばここに巨額のビジネスチャンスがあります。

例として、

  1. リファービッシュ(再生)事業:劣化電池をセル単位で再生し、3〜5年の延命保証を付けて再販。
  2. リユース部品マーケット:モーターやインバーターを検品・保証付きで流通させるBtoBプラットフォームの整備。
  3. 官民連携スキーム:再資源化を前提に逆有償での車両回収を補助し、国内解体率を高める制度設計。

これらを実装する鍵は「データ連携」と「スケールメリット」です。車両の電池診断結果をVIN(車台番号)に紐づけて公開し、解体業者・中古車事業者が共通で閲覧できるプラットフォームが求められます。さらに、再生電池を定格ごとにモジュール化し、太陽光発電の蓄電や工場の非常用電源として二次利用することで販路を一気に拡大できます。

4. 重要な洞察──“量”で勝るハイブリッド、急ぐべき二本柱戦略

中古EVへの注目が高まる今だからこそ、

①実際に国内で眠る資源量はHVが圧倒的
そして
②HV・EV共通で「電池劣化の見える化」と「国内リサイクル基盤整備」が急務

という2点を押さえる必要があります。

循環ビジネスは「集める・測る・再生する」のサイクルを回せる企業がリードします。先に仕組みを整えた企業は、中古車輸出業者とも連携し、“資源を持ち帰る物流”を構築していくでしょう。

日本がEV戦略で世界に出遅れたと言われますが、HVという豊富な“資源株”を活かせば、循環経済では先行者優位を築ける可能性があります。まさに今が勝負所です。

──中古EVブームの陰に隠れたハイブリッド資源革命。その胎動はすでに始まっています。

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