中古自動車査定士技能コンテストとは？ホンダ四輪販売・西山昂宏さんが最優秀賞を受賞した理由を徹底解説

1. 中古自動車査定士技能コンテストの概要と目的

中古自動車査定士技能コンテストは、全国の査定士が２年に一度腕を競い合う技術大会です。各都道府県で行われる地方大会を勝ち上がった選手が、最終的に全国大会へと進みます。目的は次の２つ――

• 中古車流通の健全化：公正な査定基準を浸透させ、市場価格の透明性を担保する
• 査定士の技術底上げ：最新の車両構造や素材に即した知識をアップデートし続ける

近年はEVや先進安全装置を搭載した車が急増し、従来どおりの外観チェックだけでは価値を正しく測れません。コンテストはそうした新領域の学び場にもなっています。

2. 第21回三重県大会【2025年】のハイライト

2025年に行われた第21回三重県大会では、ホンダ四輪販売三重北・西山昂宏さんが最優秀査定士賞に輝きました。

競技内容は乗用車と軽自動車の計２台を50分以内で査定し、その後に行われる学科試験を合算して順位を決定する方式。限られた時間で車両下部や修復歴の有無を的確に判断し、さらに座学でも高得点をマークした選手が栄冠をつかみます。

西山さんが高評価を得た３つのポイント

1. 実車診断力：ジャッキアップ後のフレーム歪み、交換パネルのシーリング跡を瞬時に発見。
2. 数値根拠の提示：劣化度合いを“微細傷○％”と数値化し、査定減額の根拠を分かりやすく提示。
3. 学科と法規の両立：リサイクル法・電動パワートレイン特有の査定ポイントまで網羅。

審査員いわく「現場経験に裏打ちされた観察眼と論理的説明力」が決め手だったとのこと。ユーザーとの信頼構築を最重要とするホンダ販売店ならではの教育体制も、受賞の背景にあります。

3. 中古自動車査定士が担う“車選びの安心”とキャリア展望

中古車選びで最も怖いのは、走行距離巻き戻しや修復歴隠しなどのトラブル。正確な査定はリセールバリューだけでなく、購入後の安全や満足度を左右します。だからこそ査定士は、車の医者ともいえる存在。顧客は診断書を受け取るイメージで車を選べるわけです。

資格制度はどうなっている？

現在は民間資格ですが、国交省を中心に「国家資格化」の議論も進んでいます。EVのバッテリーヘルス、ADAS（先進運転支援システム）の校正履歴確認など、従来とは異なる判定ポイントが増えたことで、より高度で標準化されたスキルが求められているためです。

キャリアパスと将来性

• ディーラーでの査定部門リーダー
• オークション会場の検査員
• EV専門のバッテリー診断士
• AI査定システム開発に携わるデータアナリスト

査定士のスキルは中古車業界だけでなく、リース、カーシェア、モビリティSaaS企業にも転用が利くため、今後ますます需要が高まると予測されます。

4. まとめ：コンテストが示す中古車市場の未来

中古自動車査定士技能コンテストは、市場の透明性を確保する最前線であり、技術革新の試験場でもあります。西山昂宏さんのように実車診断力と学科知識を両立させた査定士が増えれば、中古車購入はさらに安心で身近な選択肢になるでしょう。これから車選びを検討している読者の皆さんは、ぜひ「査定士の顔が見えるお店」を基準に、信頼できる一台と出会ってください。