【2025新型エルグランド】リミットレスグランドツアラーの全貌と中古車価格動向

1. 4代目は“運転の楽しさ”を取り戻す――リミットレスグランドツアラーとは？

日産が2025年に送り出す4代目エルグランドは、“リミットレスグランドツアラー”という新たな肩書きを掲げました。モデルチェンジごとに巨大化したミニバンは「移動の快適性」を優先しがちでしたが、ユーザーからは「操る愉しみが薄れた」という不満も聞こえていました。そこで開発陣は、大型ミニバンでもステアリングを握る喜びを再生することを最重要テーマに設定。コンセプト段階から“運転の楽しさ”をKPIに組み込み、パワートレインやシャシーを一点突破で磨き込んでいます。

鍵を握るのが、第3世代e-POWER×e-4ORCE×インテリジェントダイナミックサスペンションの世界初パッケージ。シリーズハイブリッドでありながら前後独立モーター駆動を実現し、路面状況を1/1,000秒単位で演算する電子制御サスがタイヤの接地性を最適化します。「ミニバン＝ロールが大きい」という常識を打ち破るハンドリングは、試乗会でも記者陣から絶賛の嵐でした。

2. 威風堂々のデザイン＆“宙に浮く”室内空間

エクステリアはフロントマスクの大型Vモーショングリルと、リヤまで貫く直線基調ショルダーラインで堂々とした存在感を演出。全高+90mm・全幅+40mmのサイズアップは「巨体で見下ろされ感が強まるのでは？」という懸念もありましたが、水平基調のダッシュボードと低く構えたベルトラインにより、むしろ開放感と高級感を両立しています。

インテリアのハイライトは、14.3インチ・ダブルモノリススクリーンを中心としたデジタルコクピット。各種メーターとナビを一体化し、視線移動を最小限に抑えます。2列目には航空機のビジネスクラス由来の中折れオットマン付きキャプテンシートを採用。路面入力をセンサーで検知し、体圧分散を自動調整する“フローティング機構”により、長距離移動でも“宙に浮くような乗り心地”を実感できます。

3. 中古車相場と狙い目年式・グレード

2025年型プロトタイプが公開された2024年秋以降、3代目（E52）エルグランドの中古相場は早くも変動の兆しを見せています。特に人気グレードの250Highway STAR Sは、1年間で約15万〜20万円下落。発売後1〜2年は「新型効果」で旧型が値下がりしやすいため、買い替えを検討しているオーナーにとっては好機と言えるでしょう。

現行プロトタイプの価格レンジは以下のシナリオが有力です。

• 100万円台前半：2010〜2012年式 2.5Lモデル／走行10万km超
  → バッテリー・ハブベアリング交換履歴を要確認
• 200万円台前半：2014〜2016年式 後期 3.5Lモデル
  → アラウンドビューモニター付き車両が狙い目
• 300万円台後半：2019〜2020年式 最終特別仕様車
  → プロパイロット装備車はリセールも堅い

中古車選びのポイントは、電動パワーステアリングの異音とリアスライドドアのモーター寿命。いずれも修理費が高額なため、試乗時に必ずチェックしてください。

重要な洞察

今回の4代目は“運転の楽しさ”を復権させる一方で、パワートレインをe-POWER×e-4ORCEに絞り込み、ガソリン単体モデルをカタログ落ちさせる思い切った戦略を採用しました。これにより開発リソースを集中させ、ミニバン特有のロールとドライバーの孤立感を徹底排除しています。また、全高拡大と水平インパネの相乗効果で「見下ろされ感」を解消しつつ高級感を強化。この完成度が、中古車市場でも“高年式でも値落ちしにくい”と見込まれる最大要因となるでしょう。

発売は2025年春と予想されていますが、先行予約開始と同時に現行E52からの乗り換え組が一斉に動くことが予測されます。購入タイミングとしては、2025年夏〜秋にかけて流通量がピークになり価格もこなれてくるため、そこで狙うのが賢明です。

最後に、買い替え資金を確保するなら下取りより買取専門店の相見積もりが鉄則。E52後期のハイウェイスターであれば、走行5万km台なら200万円以上の提示も十分狙えます。好条件を引き出し、新型リミットレスグランドツアラーへのステップアップを成功させてください。